有料会員限定

アメリカでイチゴを生産する日本発の植物工場ベンチャーが、都内に世界最大の研究開発拠点を開設へ・・・NTTや安川電機らが出資する理由とは?

✎ 1〜 ✎ 10 ✎ 11 ✎ 12 ✎ 13
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小
アメリカの高級スーパーでは「Oishii」ブランドの専用コーナーが設置されている(写真:オイシイファーム)

日本の技術を結集した植物工場は、「100兆円市場」を生み出すきっかけとなるか。

アメリカでイチゴの植物工場を運営する日本発の農業スタートアップ企業オイシイファーム社(Oishii Farm/以下、オイシイ社)は6月2日、東京・羽村市に大型研究開発施設「オープンイノベーションセンター」を開設すると発表した。

サッカーコート2面以上に相当する延床面積約1万5000平方メートルの施設を全棟まるごと活用し、栽培技術や自動環境制御、LED、空調などに関する多様な開発を進めていく。稼働は年内を予定しており、今後3年で50億円以上を投資する。

累計約285億円の資金調達

「売上高よりも多い金額を研究開発に投じる、めちゃくちゃ大きな投資だ。植物工場の開発拠点としては間違いなく世界最大になる」。オイシイ社の最高経営責任者(CEO)・古賀大貴氏はそう語る。

同社は2016年設立で、2024年にニュージャージー州で最先端の植物工場を稼働させたばかり。太陽光の入らない完全閉鎖型の工場で、AIやロボットを駆使して日本品種のイチゴを生産。使用する水の大半は再利用し、電力も再生可能エネルギーで賄っている。通年で栽培・収穫できるのも特徴だ。

センターや工場への大規模な設備投資の源泉には、高い資金調達力がある。2021年に約55億円を調達し、2024年には日本電信電話(NTT)や安川電機など世界の19以上の企業・団体から総額約230億円の出資を受けた。

出資者に魅力的に映るのは、植物工場の高い成長性とオイシイ社の技術力だ。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD